トラン芳子(旧姓 徳増)さん/シドニーのトップ進学校で日本語を教える女性アシスタントティーチャー ~日本の文化、言葉を心の底から教えたい~

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いざシドニーへ!現地就職を得て掴んだ大きな自信

 

シドニーでのお仕事について詳しく教えてください

日系の銀行では、コーポレートアシスタントとして課長と営業職のマネージャーの方たちのサポート兼 秘書のお休みの際の代行業務などを行いました。
銀行の中でも一番主要な部署でのアシスタント業は慣れるまでは緊張の連続でしたが、徐々に英語力と業務に対する自信がついていきました。
退社する頃には上司たちから自分が思っていた以上の評価を頂いていたことを知り、いろいろな意味で得るものの大きかった4年間でした。
日系企業のお客様が相手でしたので、相手が日本人であろうがローカルの人であろうが日本らしいきめ細かいサービスと迅速且つ正確な仕事を提供しなければなりませんでした。二人目の子供を出産して退社する頃には課長やマネージャーの方々から信頼して頂き、いろいろなお仕事を任せて頂けるようになっていました。
自分に自信を持てるようになったのは、とても優しくて知的なマネージャーの方々と、鋭気と才能を持った課長に可愛がって頂いたおかげです。

ご退社後はどうされたのですか

退社後は、二人の子供の育児をしながらもできる仕事を探していたんです。
そして、ふと日系ウェブサイトで見つけた“日本語教師”に興味を持ち、そのお仕事の面接を受けることにしたんです。
面接では「経験はあまりありませんが、やる気は誰にも負けません」という姿勢を運よくかって頂き、約2年間ほど日本語塾で日本語を現地人の高校生に教えるスキルを働きながら学ぶことができました。
今でも自信のなかった私を雇って、日本語の教え方を丁寧に伝授してくださった元ボスには大変感謝しています。

日本語教師のご経験はいかがでしたか

日本語を教える経験が十分でなかった私は、日本語塾で教え始めてからしばらくの間は育児と家事と同時に仕事をしながら、夜は日本語の教え方の勉強を毎晩2-3時間しました。
その結果、塾ではたくさんのレッスンを受け持ち、生徒たちも卒業後も連絡をくれたりと、この世界で知識と人との繋がりを広げていくことができました。
様々なところでの人との出会いを通じて、今ではNSW州(ニューサウスウェールズ州)でもトップクラスのエリート校で、Assistant teacherをさせて頂いていて、現在では9年生(日本の中学3年生)の1クラスを担任したり、9年生から12年生のクラスにアシスタントとして入ったりしています。
そのほか、プライベートの塾講師も続けており、たくさんの現地人の日本語の勉強に携われることにやり甲斐を感じています。
こうして振り返ってみると、渡豪後のどの仕事も“日本人であること”を求められており、日本人らしさと日本語を使った仕事に常に従事していたのだと気づかされます。
この国に来て、日本語を使って日本人の良さを伝えていくこと、そして海外にも日本の良さを残していくことが使命なのかもしれないと思うようになりました。
消去法で選んだオーストラリアでしたが、実はとても縁があって自分らしい生活を見つけられる所を必然的に選んでいたのだな、と今は思います。

現在のライフスタイルについて教えてください

現在は、高校での日本語のアシスタントティーチャーの傍ら、空いた時間でプライベートの日本語家庭教師もしています。
オーストラリアでは学校教師が個人的に家庭教師をすることは違法ではありません。
現在教えている高校は、NSW州で2番目に成績がいい高校ということもあってか、とても勉強熱心な生徒ばかりで飲み込みも早く教え甲斐があります。
日本の高校のシステムと違ってオーストラリアでは11年生(日本の高校二年生)になると生徒が勉強したい科目を選びます。
そして、一番の違いはオーストラリアのハイスクールとは、日本の中学校と高校を合わせた6年間に相当します。
小学校6年生の次はハイスクールに進学して、7年生から12年生まで高校生となります。
NSW州では以前は高校生が選択する第二外国語はイタリア語が一番人気でしたが、最近では日本語が一番勉強されるようになりました。
日本のアニメや漫画の影響で、オーストラリアの多くの子供たちは「日本語を勉強したい!」と思うようです。
したがって、日本語を勉強しているシニアハイスクールの生徒たちは自分で日本語をセンター試験の科目として選択しているのです。
その上、日本人の生徒と比べて海外の生徒はあまりシャイな生徒は少なく積極的に質問をしてくるので、授業中は和気藹々としています。
家庭教師の仕事の方は、夕方その生徒のお宅にお邪魔してプライベートレッスンをします。主に、HSCと呼ばれるいわゆるセンター試験を控えている高校生やレベルの高い大学生を教えています。
人生を左右しかねない一度きりのセンター試験なので、高校三年生は特に必死に勉強してくれます。
かれこれ日本語教師を4年以上していますが、一番うれしいのは、ずっと一緒に勉強してきた生徒がセンター試験で目標の点数を取り、念願の大学のコースを取れるようになったと連絡をくれる瞬間です。
人生の第一の転機とも言える大事な時期に、センター試験対策で日本語教師として彼らに少しでもいい影響を与えられたと思えることが、現在の仕事におけるやり甲斐です。


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