山田志保さん/シドニーでお寿司を握る、女性寿司職人
~120%の想いを1皿へ~

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自分を変えてくれた ある女性との出会い

 

どのような方だったのでしょうか

彼女は私よりも一回りほど年上の日本人の方で、彼女が専門にしている美容を仕事にしていて、アメリカにて長らく活躍されていました。
彼女は本当にエネルギッシュで、たくましくて、明朗で、けれどどこか可愛らしい大和撫子の雰囲気を持ち合わせていて、同性の私から見ても本当に素敵な女性だったんです。
しばらく取り留めの無い話をして、友人のうちの一人が私の職業を彼女に紹介しました。
はっきりと覚えていませんが、これからどうしたいのか 将来どうなりたいのか等を質問されたかと思います。
恥ずかしい気持ちはありましたが、姉に相談するような感覚で ありのままの自分の現状を彼女に話しました。
寿司は続けていきたいし 調理師として成長したいけれど全く先が見えない。
ただ漠然とした「成功したい!」という想いだけで、どう動けば良いのか、自分が具体的にどうなりたいのかすら わからない、イメージできない と。
彼女は暫く私の話を聞いてくれ、とても力強く『寿司職人として海外に行きなさい、できる限り早く。まだ若くて可能性が多くあるうちに行って色々と経験して、それから将来を考えたって遅くはない。やらないで後悔したって遅いのよ』と言いました。
実際に海外で身を建てて仕事をしている彼女から そう言われ、体に電気が走ったような感覚があったのを覚えています。
一晩で考えが180度 変わった出来事でした。
それからすぐにフルタイムで働いていた寿司屋を辞め、一時は修行のために働いていた和食屋を含む3つのアルバイトを掛け持ちしながらお金を貯める生活を1年間続けました。
調理師としてのお給料がかなり低かった為、短期的にみるとアルバイトの方が稼げたんです。
また、ビザや飛行機のチケット、滞在先等を決め 愛用の和包丁3本を持って誰も知り合いが居ないシドニーへとやってきました。
彼女にアドバイスをもらってから約1年と3ヶ月が経っていました。

いざ、シドニーへ! ~エキサイティングな寿司文化~

どうしてシドニーを選ばれたのでしょうか

オーストラリアを選んだ理由は 英語圏で かつ治安がそこまで悪くなく、多民族国家であること。
そしてビザの取得が他国に比べると割と難しく無く、寿司人気が未だ続いていたからです。
出国の準備をする中で、海外の色とりどりの美しい寿司に段々と惹かれ、型にハマらない、ですが基本的で古典的な技術やスタイルは欠かせない、という“海外スタイルに進化した寿司” の魅力と可能性に一気に夢中になりました。

現地でのコミュニケーション等、問題はなかったのでしょうか

全く英語が話せませんでしたが私の性格面と金銭的な理由から学校は行かず。
知識の無さから諸手続きを代行してくれる日系の代理店の存在も知らず。
約3ヶ月程の生活費と包丁だけを持って初めての外国に来たのは 今考えると本当にクレイジーです。
銀行口座の開設や役所での手続、住まい探しや仕事探し等 全て自分でやるわけですから。
ですが、これがそれまで私が生きてきた中で一番衝撃的で、一番勇気のある行動だったと思っています。

シドニーでのお仕事の内容を聴かせて頂けますでしょうか

お寿司を握っています。笑
今働いているお店は地元の人が経営するモダン・オーストラリアスタイル・ジャパニーズ寿司レストランで、お客様の9割はオーストラリア人(ウエスタンの方々)です。
オーストラリアワインと日本酒にカクテル、またそれに合うオーストラリア・スタイルの和食を提供しています。
職場のスタッフはオーストラリア人を始め、日本人を含む東アジア人、南・中央アジア人、ヨーロッパ人、南米人等 様々。
キッチンサイドのシェフ達はかなり多国籍ですが寿司においては ほとんどが日本人の職人です。
店はかなり広めのオープンキッチンで 10席程の寿司カウンターがあり、シドニーでは知らないオーストラリア人は居ないかもしれないという程の人気店です。
私は寿司の付け場の担当でチーフの指示のもと、米炊きからネタ打ち、握りまで毎日 本当に楽しく学ばせてもらっています。
シェフの面々は皆 本当に情熱を持って和食と向き合っていて、良い意味で日本人よりも日本人らしいアツイ サムライ達です。笑
本当に常に 新しい発見→学ぶ の連続で、私も数少ない日本人の職人として負けてられない!とワクワクする毎日です。


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